東京高等裁判所 昭和56年(ネ)2459号 判決
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【判旨】
(控訴人の当審における主張に対する判断)
全国銀行協会連合会制定(昭和四九年四月一六日改正)の「当座勘定約定書ひな型」に示された当座勘定規定が現在各銀行の取引において、いわば制度的に採用されていること及びこの当座勘定規定一七条が、確定日払の手形で振出日の記載のないものが呈示されたときは、その都度連絡することなく支払うことができるものとする旨及び右取扱いによつて生じた損害については、当行は責任を負わない旨規定していることは、当裁判所が職務上知り得た顕著な事実である。しかしながら右規定が当座預金の支払委託者である当座勘定取引契約の相手方に対する受託銀行の免責約定以上のものではないことは、右約定自体によつて明らかであるし、控訴人が主張するように、振出日の記載を欠く確定日払の約束手形の支払呈示をもつて、当該手形の裏書人に対する遡求権保全の要件として有効視する取引上の慣習が存在することを肯認すべき資料はない。従つて、控訴人のこの主張は、その他の点を判断するまでもなく、失当たるをまぬかれない。
(石川義夫 広木重喜 原島克己)